『薬屋のひとりごと』の漫画が2種類あるのは、同じ原作小説をスクウェア・エニックスと小学館が別々に漫画化しているからです。どちらも正式な漫画版。ただし、なぜ2社で並行して展開することになったのか、その詳しい事情は確認した公式情報だけでは分かりません。
「表紙が違うけれど続編なの?」「買うならどっち?」と迷いますよね。『ハレイロライフ』のハルです。この記事では、2026年10月17日に確認した情報をもとに、2つの漫画の見分け方と選ぶ目安を整理します。物語の核心や事件の結末には触れません。
漫画が2種類あるのは、同じ小説を別々に漫画化しているから
『薬屋のひとりごと』の出発点は、日向夏さんによる小説です。その小説を漫画にした作品が、スクウェア・エニックスと小学館からそれぞれ出ています。同じ題名の本を見つけても、出版社と漫画を描く人が違うんですね。
ここで気になるのが「どうして2社で同時に?」というところ。ただ、2026年10月17日に確認した出版社の作品紹介では、並行して漫画化することになった詳しい経緯までは説明されていません。作品が2つある事実と、その企画が成立した理由は分けて考える必要があります。
「オファーが重なったから」「読者層を分けるため」といった説明は、裏付けなしに決めつけられません。私も理由まで知りたくなりますが、ここは推測で埋めず、同じ原作から生まれた別々の漫画版、と受け止めるのが確実です。
どっちがどっち?出版社と作者を見れば分かる
スクウェア・エニックスの作品名は『薬屋のひとりごと』。月刊ビッグガンガンの作品で、作画はねこクラゲさん、構成は七緒一綺さんです。小説を書いている日向夏さんと、漫画の絵を担当する人は別なので、著者欄の名前が多くても不思議ではありません。
| 見分ける場所 | ビッグガンガン版 | サンデーGX版 |
|---|---|---|
| 作品名 | 薬屋のひとりごと | 薬屋のひとりごと~猫猫の後宮謎解き手帳~ |
| 出版社 | スクウェア・エニックス | 小学館 |
| 掲載誌 | 月刊ビッグガンガン | 月刊サンデーGX |
| 原作 | 日向夏 | 日向夏 |
| 作画 | ねこクラゲ | 倉田三ノ路 |
| 構成の表記 | 七緒一綺 | 公式作品紹介では独立した構成担当の表記なし |
| キャラクター原案 | しのとうこ | しのとうこ |
| 略称で迷ったら | 「ガンガン版」「ねこクラゲ版」が目印 | 「GX版」「倉田三ノ路版」と副題が目印 |
小学館の作品は『薬屋のひとりごと~猫猫の後宮謎解き手帳~』で、作画は倉田三ノ路さん。掲載誌は月刊サンデーGXです。「猫猫の後宮謎解き手帳」という副題が、2つの漫画を見分ける大きな手がかりになります。
どちらにも、原作として日向夏さん、キャラクター原案としてしのとうこさんの名前が入ります。キャラクター原案が共通でも漫画の作画担当は違う。ここが分かると、同じ猫猫なのに表紙の印象が違う理由もすっきりします。
片方が続編やリメイクというわけではない
副題に「謎解き手帳」とあると、猫猫が活躍した後の番外編かな、とも思えますよね。でも、小学館版も後宮に売られた猫猫が、帝の子どもたちの不審死を知るところから始まる漫画です。副題だけで続編と判断しなくて大丈夫です。
スクウェア・エニックス版も、花街で薬師をしていた猫猫が後宮で働き、薬や毒の知識を生かして謎に関わっていく物語。同じ主人公、同じ原作の出発点を、それぞれの制作陣が漫画として描いています。前編と後編を分担している関係でもありません。
ですから、読む順番は「ねこクラゲ版の後に倉田三ノ路版」という決まりではありません。どちらも1巻から入れます。片方を読まないともう片方の導入が分からない、という組み合わせではないので、最初の一冊は好みで選べます。
絵柄だけ?違いは場面の見せ方にもある
分かりやすい違いは、猫猫や壬氏の絵柄です。ただ、漫画は同じ出来事を描く場合も、どの表情を大きく見せるか、説明をどこに置くかで読み心地が変わります。表紙の雰囲気だけでなく、本文のコマやせりふの流れも選ぶ材料になるんですね。
比較の目安として、アニメイトタイムズの紹介記事は、サンデーGX版を謎解きの説明に注目したい人向け、ビッグガンガン版を人物同士の関係や感情を楽しみたい人向け、と評しています。これは作品の傾向についての評価で、出版社が定めた役割分担ではありません。
「片方は恋愛だけ、もう片方は推理だけ」と分けると、かえって作品像がずれてしまいます。両方とも猫猫の謎解きと人物たちの物語を描く漫画です。同じ原作でも、何が印象に残るかが違う。そのくらいの捉え方で比べると、先入観を持ちすぎずに選べます。
アニメの原作は、どちらかの漫画なの?
アニメから漫画へ進もうとすると「アニメの元になった方を買いたい」と考えるかもしれません。『薬屋のひとりごと』のアニメの原作は日向夏さんの小説です。2つの漫画のうち、どちらか一方だけを原作にしたアニメ、という整理ではありません。
絵柄やある場面の演出が似て見えても、それだけで原作の関係までは決まりません。小説、2つの漫画、アニメが同じ物語やキャラクターをもとに作られているため、共通する部分があるのは自然です。「似ている」と「その漫画が原作」は別の話なんですね。
私は、アニメとの近さだけで一冊を決めるより、漫画として読みやすい方を選びたいです。声や音楽があるアニメと、ページをめくる漫画では楽しみ方も変わります。アニメの好みを入り口にしつつ、漫画の表情や文章にも目を向けると選択肢が広がります。
巻数が違っても、同じ数字で乗り換えない
2種類を途中で取り違えやすいのが、続きを買うときです。同じ原作でも、単行本の区切りが共通とは限りません。「こちらの5巻まで読んだから、もう一方の6巻へ」とつなぐ買い方では、話が重なったり、必要な場面を飛ばしたりするおそれがあります。
また、刊行冊数だけで「内容が何巻分先」とは計算できません。一冊に収める場面や説明、ページの使い方が違うためです。アニメの続きから読みたい場合も、アニメの最終話と漫画の収録内容を対応させる必要があり、巻数の数字だけでは選べません。
ハル題名が同じでも、続きの一冊は作者名まで!
続きをそろえるなら、購入履歴や手元の本で作画担当と出版社をそろえるのが簡単です。電子書籍では小さな表紙画像だけを頼りにせず、商品名の副題と著者欄まで見る。家族などに購入を頼むときも、作品名に作者名を添えると取り違えを減らせます。
迷ったら、1巻の読み心地で選んでいい
「結局どっちがおすすめ?」には、好みの絵柄と、せりふや説明の読みやすさで選ぶのが私の答えです。人物の表情を眺めたいのか、事件の筋道を追いたいのか。同じ作品を好きになった人でも、漫画に求めるものは少しずつ違いますからね。
- 表紙が気になるなら、猫猫と壬氏の顔や表情から比べる
- 文章の読みやすさを重視するなら、説明とせりふの量を見る
- 続きを買うなら、前巻と同じ作画担当・出版社を選ぶ
試し読みを利用できる場合は、両方の冒頭で猫猫の表情、文字の量、場面が切り替わる速さを比べてみると判断しやすくなります。試し読みの対象や範囲は販売先によって異なるため、全巻を無料で読めるという意味ではありません。最初から一式そろえる必要もないんです。
片方を選んだら、まずはその版の1巻から。もう一方が気になったときに、同じ場面の描き方を比べる楽しみも残っています。正解の一冊を当てようと身構えるより、「この猫猫をもう少し見ていたい」と思える方から始めてみてください。




